リノベーションのついでに増築したいと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、増築が難しいケースや、自治体から補助金がもらえるケースなど、事前に確認しておいたほうがよい点もあります。
今回はリノベーションで増築した場合の費用相場や、増築する際の注意点について解説します。
増築とは住居の床面積を増やすリノベーション
リノベーションでは増改築という言葉がよく使われますが、増築と改築にはどのような違いがあるのでしょうか。
どちらも、間取りを変更したり既存の構造を一部または全て壊して新しいものに修理するものです。
増築と改築の違いは「床面積が増えるかどうか」です。リノベーションで住居の総床面積が増えれば「増築」で、変わらなければ「改築」になります。また、面積を減らす「減築」もあります。平屋を2階建てにしたり、敷地内に部屋を新設する場合などが増築になります。
増築の費用相場は既存住宅の状況や増築場所によって異なる
増築にかかる費用は、既存住宅の状況や増築する場所、使用する建材や設備などのグレードなどに左右されますが、約200万〜300万円が最多価格帯となっています。また、確認申請費用やその代行手数料として20万円前後が別途必要になるのが一般的です。
増築部分ごとに費用の相場をまとめました。
増築部分 | おおよその費用相場(円) |
---|---|
2階部分(1畳あたり) | 50万〜100万 |
離れや1階にバリアフリー洋室(8畳) | 250万 |
離れや1階に和室を増築 | (2畳)50万〜140万 |
(6畳)200万〜300万 | |
(8畳)210万〜400万 | |
(10畳)220万〜450万 | |
離れへの渡り廊下設置 | 50万〜200万 |
キッチン | 50万〜100万 |
ミニキッチン | 28万〜50万 |
洗面台 | 10万〜50万 |
トイレ | 70万〜200万 |
浴室 | 75万〜250万 |
バルコニー・ベランダ | 30万〜50万 |
ガレージ | 80万〜100万 |
カーポート | 18万〜65万 |
※工事見積・費用は、諸条件により変動しますので、事前に現地調査が必要となります
増築する場合に知っておきたい7つの注意点
増築する場合、建築基準法の制限などにより希望通りの増築ができない可能性もあります。慌てないためにも、事前の確認をおすすめします。
1. 建ぺい率
新築時に建ぺい率いっぱいに建てられた住宅の場合、建ぺい率が緩和されていない限り増築は難しいでしょう。
2. 構造上の問題や容積率
2階建ての住居を3階建てに増築したい場合、既存の基礎は2階建てを前提に作られており、3階建て向けとは作りが異なるため、構造上の問題で難しいでしょう。
また、容積率の制限で増築できない可能性もあります。
3. 建築工法の違い
既存の住宅の工法と異なる工法で増築する場合、接合部分に負担がかかるため耐震面で難しくなります。
4. 既存不適合建築物
1981年6月に施行施工された新耐震基準に適合していない住居を増築する場合、耐震診断や耐震改修工事が必要です。自治体によっては費用の一部を助成する制度があるため、建築士など専門家に相談してみましょう。
5. 固定資産税
増築して床面積が増えた場合、固定資産税が高くなります。毎年1月1日を基準に課税されるため、増築した翌年分から税額に反映されます。
6. 確認申請
増築する場合、行政に対して増築許可を得る必要があります。ただし、以下の条件に当てはまる場合は確認申請が不要です。
- 10平方メートル以下の増築
- 防火地域・準防火地域以外にある建物
確認申請には構造計算などが必要なため、リフォーム会社や建築設計事務所が代行するケースがほとんどです。確認申請費用・中間検査申請費用・完了検査申請費用の3つが必要で、増築の広さ、自治体によって金額が異なります。
たとえば、東京都で30平方メートル以下の増築を行う場合、確認申請に5,600円、中間検査に9,400円、完了検査に1万4,000円必要です。
申請費用は増築する広さによって異なります。申請はリフォーム業者などに代行を頼むのが一般的で、手数料を含めて15万〜25万円が相場です。
7. リフォーム補助金
各自治体にあるリフォーム補助金制度ですが、既存部分の改修工事のみが対象となっているケースも多く、増築は対象外となる可能性が高いでしょう。
ほかにも利用可能な補助金があるかもしれないので、お住まいの地域の役所や補助金の知識があるリノベーション業者に問い合わせてみましょう。
とくに3世帯(親・子・孫)が同居するための増築には補助金を支給する自治体が多くみられます。孫世代の年齢制限があるケースもあるため、事前に確認をおすすめします。
増築は知識・実績が豊富なリノベーション業者に依頼するのがおすすめ
リノベーションによって住居の総床面積が増える場合は増築になります。増築分が10平方メートルを超える場合は、確認申請の手続きが必要です。
増築にかかる費用は、既存の住居の状態や使用する建材のレベルなどによって変わります。今回は一般的な費用の相場を増築箇所別にご紹介しました。
確認申請や建築基準法による制限など、増築に関する注意点もあります。トラブルを防ぐためにも、増築は知識や実績が豊富なリノベーション業者に相談することをおすすめします。
増築のリノベーションに関するご相談なら、ReoLaboにお任せください。さまざまな提案をご用意いたします。