工事制限から考える中古マンション選び

近年は、新築のマンションを購入するのではなく、中古のマンションを購入してリノベーションをする方も増えてきています。しかしマンションは、リノベーションに関する制限が多いため注意が必要です。

そこで今回は、マンションに存在する工事の制限について解説していきます。
読んでいただくことで、中古マンションにどのようなリノベーションが行えるのかが理解できるので、ぜひご一読ください。

工事を検討する前に知っておくべきこと

ポイントを指摘する男性購入を検討しているマンションがどこまでリノベーションできるのかは、間取り図などの図面を見ただけで分かるものではなく、中には建物を解体しなければ分からない点も多数存在しています。

事前に図面で全て分かるかどうか限らない

工事可能な範囲は、間取り図などの図面を確認しただけでは分かりません。なぜなら、工事がどこまでできるのかは、建物の構造や管理組合の規定によって大きく変わるからです。

図面でわからないことについて1「マンションの構造」

マンションは、構造の種類によって工事のできる範囲が変わってきます。代表的な構造は以下の2つです。

構造 特徴 工事における留意点
RCラーメン構造
  • 梁と柱で建物を支える構造
  • 中高層のマンションに多い
  • 部屋の間仕切りを取り外せるため
    自由に間取りを変更できる可能性が高い。
  • 梁や柱があるため部屋が狭くなる可能性があり、
    間取りに考慮しないとおかしな場所に柱や梁が出てしまう場合も。
RC壁構造
  • 壁と床で建物を支えている構造
  • 低層マンションに多い
  • 構造壁を取り外すことができないため、間取りの変更が制約される
  • 梁や柱がないため部屋を広く使える

マンションの構造を確認するためには不動産業者に確認したり、施工図面を見たりすることで確認が可能です。

図面でわからないことについて2「管理組合が定める規約」

2つ目は、管理組合が定める規約による制限です。リフォームやリノベーションの工事では、以下のような禁止事項が設けられている場合があります。

  • キッチン、トイレなどの水回りの移動
  • エアコンの設置や配管を新規にするために必要な穴を外壁に開ける工事
  • 既存の床材(カーペット等)をフローリングなどに変更する工事

また、古いマンションだと追い炊き機能のない給湯器が既に室内に供えてあり、場所を変えられないこともあるため、事前に確認が必要です。

基本的にマンションの外壁やサッシ、バルコニーなどの共用部分は、自己判断ではリフォームなどの工事ができず、管理組合の規定に従わなければなりません。さらに、場合によっては占有部分を工事する際も管理組合の許可が必要な場合があります。

ReoLabo(リオラボ)は、管理組合や管理会社へのリノベーション工事の申請も代行しておりますので、お任せください。

解体してみないと分からない部分

解体現場次に、実際に工事を行って解体しないと分からない部分を確認しましょう。リノベーションは、お部屋を解体した結果によって、事前に決めていたデザインやプランが変更になる場合もあります。

ブロック壁が壊せるかどうか

浴室廻りなどに利用さている壁が、構造に関係のないブロック壁なのかコンクリート躯体なのかは、解体しなければ判別できない場合があります。ブロック壁であった場合は基本的に取り壊せますが、管理規約にて禁止されている場合もがあるため確認しましょう。

床下の構造

マンションの床下の構造が、直床か2重床かによって行える工事が変わるため、解体にて確認が必要です。

直床は、床材のすぐ下がコンクリートであるため、水回りの移動が制限されるだけでなく、移動できたとしても床に段差ができたり、天井までの高さが著しく低くなる場合があります。

2重床は、躯体のコンクリートと床の間に空間が設けられているため、床の高さを変えずに水回りの移動が可能な場合が多いです。また、遮音性や断熱性に優れているため、リノベーションで採用されることの多い工法です。

パイプスペース

パイプスペースとは、上下水道の共用縦管の配管スペースのことで、基本的に移動させることができません。

また、キッチンなどから流れ出た水を、パイプスペース内の排水管までスムーズに流すためには、両者を繋ぐ配管に傾斜をつける必要があります。

そのため、キッチンなどの水回りが移動できるかどうかは、解体して排水の経路を確認しなければなりません。水回りの位置変更の距離が長ければ長いほど、床の高さが高くなり、天井高が低くなりますので注意しましょう。

換気・ダクト(防火ダンバー)

水回りの位置変更には天井裏を開けて排気口やダクトなどの換気の経路を確認することも必要です。

専有部内に構造梁があると、梁をかわさなければならず、ダクトやエアコンの冷媒管等の経路変更に支障が出て、水回りやエアコン設置の位置に制限が出る場合があります。

また、ダクト内部の防火ダンパーの状態も解体しなければ確認できません。
尚、梁を超えてダクトなどの換気経路を変更する場合、更に大きな梁を作ったりする必要があったり、経路が複雑だと排気能力が低下する場合がありますので注意しましょう。

断熱

マンションに利用されている断熱材の多くは外壁と内装壁の間に設置されているため、内装壁を解体してみなければ状態が分かりません。中には、断熱材が入っていないマンションもあり、結露対策として充填が必要な場合もあります。

柱・梁位置・大きさ

RCラーメン構造のマンションの場合、柱や梁の実際の大きさは解体してみなければわからない場合があります。場合によっては、キッチンを動かすためのダクトを確保できない場合や、風呂場にユニットバスが入らない可能性もあり、間取り変更に制約が出る場合があります。
また、居室内であっても、梁や柱の位置を考慮しないと部屋の中心部に梁や柱がきてしまい、家具設置や照明計画に支障が出る場合があります。

アスベストの有無

マンションの建材に、アスベストが使われている可能性がある場合は、解体工事そのものに注意が必要です。特に1975年以前に建てられたマンションでは、アスベストの使用されていた可能性が高く、また2006年頃までのマンションには使用されていた可能性があるので注意が必要です。アスベスト撤去工事の際には、予定外の出費となりますので、事前に確認するようにしましょう。

躯体の状態

躯体に利用されているコンクリートの腐食具合や劣化具合も、解体によって確認が必要。補強や補修が必要な場合は追加で費用が発生します。

また、天井や壁などの躯体をむき出しにするリノベーションをする場合は、解体を行って躯体の色味やクラックの状態を確認する必要があります。これは解体前に状態を知ることが出来ませんので、追加費用が発生する場合がありますので、注意しましょう。

管理規約

管理規約には、工事を行う際の決まりが記載されているため、事前に確認が必要です。

施工可能日時

管理規定によって工事が可能な日時や曜日が決められていることがあります。定められた時間以外に工事を行うと、中止を求められるなどのトラブルの原因となるため注意しましょう。

近隣住民の同意書について

工事を行う際に、工事を実施するお部屋の上下階や両隣の住民などから同意が必要な場合があります。リフォームやリノベーションの工事では、図面や使用する部材等の工事計画について事前に同意を得なければクレームに発展することがあります。

工事の期日までに必要な同意が得られなければ、工事自体が開始できない可能性があるため、早めに同意を得ておく必要があります。

工事の申請にかかる期間

工事を行う場合は、事前に管理組合に承認を得る必要な場合がほとんど。また、工事の申請をしてから承認されるまでに必要な期間はマンションによって違うので、あらかじめ確認しておくことも大切です。

管理組合は工事の申請があった場合、住民への周知や共有部分への影響の調査などが必要なため、承認までに1か月以上かかることもあります。

リノベーションに必要な平均予算

現金と電卓工事に必要な予算は、工事の内容によって様々です。例えばお部屋を構造躯体がむき出しになるまで解体してから行うスケルトンリノベーションなのか?、外周壁を残して一新するのか?、配管や天井・床の下地は再利用するのか?によって、リノベーションの見た目の仕上がりは同じでも費用は大きく変わります。

スケルトンリノベーションでなければ、予算は抑えられますが、既存の状態や希望するリノベーション工事により残せない場合があります。事前に相談してみましょう。

また、ReoLabo(リオラボ)の場合は、分かりづらいリノベーション工事費用を専有面積による定額で一本化しています。
細かい計算が必要になる仲介手数料も不動産価格帯で定額化していて、TOTAL予算のWEBシミュレーションができますので、一度試してみてください

中古マンションを選ぶ時の注意点

話し合い最後に、中古マンションやリノベーション会社を選ぶ時の注意点を2つ解説します。

あらかじめ方向性を決めておく

中古マンションを購入してしてリノベーションする場合は、まずはリノベーション会社に見積もりを出してもらう必要があります。
一社目の見積もりで提示された価格が適切かどうか判断するために、複数の会社に見積もりを依頼するとよいでしょう。
しかし、購入物件の確定や、図面や詳細な仕様が決まっていないと見積もりが出来ない場合も多いのが実情です。

定額制リノベーションを採用しているReoLabo(リオラボ)なら、ある程度の予算が事前にシミュレーションできますので、参考にしてみてください。

コスト調整はリノベーション会社に相談しながら行う

リノベーションにどれだけの工事費用を掛けるのかは、まずリノベーションの目的や、やりたいこと、導入したい設備等を明確にした上でリノベーション会社に相談するとスムーズに打ち合わせが進みます。

やるたいことの優先順位をあらかじめ、決めておくことで予算オーバーの際にも選択と判断がスムーズに進みます。

まとめ

リノベーションは、管理規約の確認したりや建物を解体してみたりしなければ、希望通りの工事が行えるかどうかが分かりません。そのため、新築物件や再販物件を購入するときよりも手間や時間がかかることもある点に注意しましょう。

一方で、中古マンションを購入しリノベーションを施すことで手頃な予算で、希望通りでオンリーワンの物件を手にできる点が魅力的ですね。

ReoLabo(リオラボ)では、35年間で7,000件超のリフォームやリノベーションを行って参りました。
経験や実績に基づいたノウハウをもとに、お客様一人一人の生活スタイルに合ったご提案をさせて頂いており、多数の定額制リノベーションも取り揃えておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

ReoLabo編集部

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