「住宅ローンを組む時に固定金利と変動金利のどちらが良いのか決められない」と悩む人が多いです。
固定金利と変動金利は、住宅購入後のローン返済に大きな影響を与えるだけでなく、メリットとデメリットがあります。
しかし購入する際は、金利のタイプを必ず選択しなければなりません。
そこでこの記事では、住宅を購入したい人が自分に合った金利タイプを選べるよう、固定金利と変動金利、それぞれの特徴やメリットデメリットについて分かりやすく解説していきます。
住宅ローンの金利タイプとは
住宅ローンを利用した場合は、元金に利息を上乗せして返済しなければなりません。
利息を計算するときに用いるのが金利なため、金利の値によって利息額や返済額が変わってきます。
住宅ローンの金利は、大きく分けて以下の2種類です。
- 固定金利型
- 変動金利型
また、変動金利のうちに一定期間の固定期間を組み合わせた固定期間選択型もあります。
これらの金利タイプは、種類によって返済額の計算時に適用される金利の値や、返済期間中の金利変動の有無が変わってきます。
例えば、以下の条件において金利が1.0%の場合と2.0%で返済額がどれほど変わるかシミュレーションしてみましょう。
- 借入金額:3,000万円
- 返済期間:35年
- 返済方法:元利均等方式(毎月一定の金額を返済する方法)
金利1.0% | 金利2.0% | |
---|---|---|
返済 月額 |
8万4,686円 | 9万9,379円 |
返済 総額 |
3,556万7,998円 | 4,173万9,109円 |
うち 利息額 |
556万7,998円 | 1,173万9,109円 |
このように金利が1.0%違うだけで、上記のモデルケースでは毎月の返済額が約1.5万円、返済総額と利息額は約60万円も違ってきます。
そのため金利選びは、マイホームを購入したあとの生活も考慮したうえで、慎重に検討しなければなりません。
それでは、次の項目から金利タイプの特徴について解説していきます。
固定金利の特徴について
固定金利では、返済期間中の金利が固定されます。
市場の金利が変動しても適用される金利及び返済額は返済期間中変わりません。
また、変動金利に固定期間を組み合わせた固定期間選択型では、3年、5年、10年といった一定期間のみ金利が固定され、適用される金利は全期間固定型よりも低く設定されます。
固定金利のメリット
固定金利のメリットは以下の通りです。
- 返済額が変わる心配がない
- 将来の収支計画を立てやすい
固定金利は、返済期間中の金利がずっと固定されているため、途中で返済額が変わる心配がありません。
そのため「途中で返済額が上がったらどうしよう」と心配することなく、ローンを返済していけるのがメリットといえるでしょう。
また、返済額が変わらないということは、家計において収支の予測が立てやすくなり、将来の資金計画に狂いが生じにくくなります。
固定金利のデメリット
固定金利のデメリットは以下の通りです。
- 返済当初の適用金利が変動金利よりも高い
- 市場の金利が下がっても適用される金利が低下しない
返済当初の適用金利は、固定金利の方が高く設定されているため、返済額と利息の額は変動金利よりも多くなります。
仮に返済期間中に市場の金利が上がらなかった場合は、変動金利よりも返済総額が高くなる点に注意が必要です。
変動金利の特徴について
変動金利とは、住宅ローンの返済期間中にローンの金利が市場の状況によって変わる可能性のある金利タイプです。
変動金利で適用される金利と、返済額はそれぞれ以下のタイミングで見直されます。
- 適用金利:半年に1度
- 返済額:5年に1度
返済額が変わるのは5年に1度ですので、金利が変更されても返済額が見直されるタイミングでない場合は、元金と利息の割合が変わるのみです。
そのため、金利が上昇しても返済額がすぐに変わるわけではありません。
加えて見直し後の返済額は、最大でも見直し前の125%までしか上昇しないルール(125%)が存在します。
仮に見直し前の返済額が10万円の場合、見直し後の返済額は最大で12.5万円となる仕組みです。
変動金利のメリット
変動金利のメリットは、以下の2点です。
- 借入当初の返済額が少ない
- 返済額が大きく変わる心配がない
借り入れたときの変動金利の適用金利は、固定金利よりも低いです。
そのため、借入当初の返済負担が固定金利よりも軽いだけでなく、返済期間中に市場の金利が変わらなかった場合、返済総額が固定金利よりも少なくなります。
また変動金利の返済額が変わるのは、5年に1度であるだけでなく、125%ルールがあるため返済額が突然大きく変わる心配もないでしょう。
変動金利のデメリット
一方で、変動金利には以下のデメリットがあるため、注意が必要です。
- 返済の途中で返済額が上がる可能性がある
- 将来の資金計画が立てにくい
変動金利は、返済の途中で返済額が変わる可能性があるため、市場の金利が上昇すると返済負担も増えてしまいます。
5年ルールや125%ルールがあるとはいえ、金利が上昇すると返済額における利息の割合が増えて元金がなかなか減らないこともあるでしょう。
また、将来の返済額が変わる可能性があるということは、家計における将来の収支予測が立てづらくなったり、繰上げ返済の見通しも付きづらくなったりする点に注意が必要です。
変動金利と固定金利のどちらが多く選ばれているのか
それぞれに一長一短がある変動金利と固定金利ですが、以下の調査結果が示すように住宅ローンを利用した人の多くが変動金利を選択しています。
- 変動金利:60.3%
- 固定期間選択型:25.1%
- 全期間固定金利:14.6%
※出典:住宅金融支援機構「2018年度 民間住宅ローン利用者の実態調査【民間住宅ローン利用者編】(第2回)」
https://www.jhf.go.jp/about/research/loan_user.html
同調査によると、変動金利を選択した人の多くは「金利が低い」という理由が多く見られました。
2020年4月時点では、マイナス金利政策の影響により、住宅ローンの適用金利も低水準で推移しています。
その中でも、より金利の低い変動金利を選び、返済負担をできるだけ減らしたいと考えている人が多いようです。
変動金利と固定金利を選ぶときのポイント
変動金利と固定金利を選ぶ時のポイントは、以下の2つです。
- 収入が安定しているか
- 住宅購入にかかる費用がはっきりしているか
収入が安定しているか
収入が安定しているかどうかは住宅ローンの審査に影響します。
特に変動金利型の住宅ローンを利用する場合は、会社員や公務員など収入が安定しているほど、審査に通過しやすい傾向にあります。
反対に自営業者のような収入が不安定な人は、変動金利の審査は通過しづらいため、全期間固定型で住宅ローンを組む人が多いです。
収入が不安定な人は、安定している人よりも将来の収支がはっきりしないため、返済計画の立てやすい固定金利の方が安心といえるでしょう。
住宅購入にかかる費用がはっきりしているか
固定金利は、借入時に返済総額が決まるため、住宅の購入費用を明確にしたい人におすすめと考えられます。
特に子供の教育費のような多くのお金が必要になる可能性がある場合、返済額が上昇する心配のない固定金利タイプの方が安心です。
一方で変動金利は、途中で返済額が変わるため、返済総額が最後まではっきりしません。
そのため借入額が少なく金利変動のリスクが低い人や、返済額が上がっても対応できる人などは変動金利を選ぶと良いと考えられます。
ReoLaboなら支払い額のシミュレーションも可能
固定金利と変動金利のどちらを選ぶかは、ローンの返済シミュレーションを確認したうえで、入念に返済計画を立てることが大切です。
ReoLaboであれば、リノベーション費用は住宅の広さによって決まり、物件の仲介手数料は物件価格によって決まる定額方式です。
そして弊社のサイトでは、所定の項目を入力するだけで返済額を簡単にシミュレーションできます。
また、より詳細なシミュレーションをご希望の場合は、弊社ReoLaboの窓口までご相談ください。お客さまの状況に応じた適切な金利タイプをご提案させていただきます。
まとめ
固定金利と変動金利のそれぞれにメリットとデメリットがあるため、返済シミュレーションを確認した上でどちらが自分に合っているのかを慎重に検討する必要があります。
住宅ローンの返済は、場合によっては20年や30年のような長期間となります。
もし返済期間中の金利上昇に不安を感じたまま生活したくないのであれば、固定金利を選ぶのも一つの方法です。
一方で金利が低いうちにできるだけ元本を減らしたい人は、変動金利を選ぶと良いでしょう。
金利選びにおいて大切なことは、金利の低さだけで選ばないことです。
マイホームを購入したあとにどのような生活をするのか、金利の変動リスクに備えられるか、などさまざまな面で自分に合った金利タイプを考えましょう。