住宅ローンの金利の計算方法とは?毎月の返済金額を把握しよう

夢のマイホームを購入するときにお世話になる住宅ローン。毎月の支払いで気になるのが、「金利」や「利息」です。住宅代にプラスして支払わなければいけないものなので、「金利がいくらになるのか知っておきたい」「できれば安く済ませたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
今回は、住宅購入の際に必ず知っておきたい金利の計算方法について解説いたします。

住宅ローンの金利タイプは3種類

住宅ローンの金利には3つの種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。実際に金利を計算していく前に、住宅ローンの基礎知識を身に着けていきましょう。

1.変動金利型

変動金利型は、一定期間ごとに金利が見直される住宅ローンのことを指します。多くの銀行では、6ヶ月ごとに金利が見直されることが一般的です。
ただし、毎月の返済額が改定されるのは5年ごとです。どれほど金利が上がっても、返済額は現在の1.25倍が限度に設定されています。たとえば、毎月の返済額が10万円の場合、どんなに金利が上昇しても12万5,000円までしか返済額が上がることはありません。
変動金利型のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 金利が一番低い
  • 固定金利よりも高額なローンが組める
  • 金利が上がらなければ返済額を抑えられる

デメリット

  • 金利や返済額が上がってしまうリスクがある
  • 返済額が変動するので返済計画を立てにくい

2.全期間固定金利型

全期間固定金利型は、契約した時点で借入期間中の金利を固定するタイプです。全期間金利が一律タイプのものと、金利がアップする段階金利型に分けられます。今人気の住宅ローン「フラット35」も、このタイプに分類されます。
返済額が一定で返済計画が立てやすい一方で、やや金利が高く設定されているところが特徴です。また、返済期間を長くすると利息が高額になる傾向にあるため、利用するときは十分に注意してください。
全期間固定金利型のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 返済計画やライフプランが立てやすい
  • 返済額や金利が一定

デメリット

  • 金利が高めに設定されている
  • 変動金利より少ない額の住宅ローンしか組めない

3.固定期間選択型

固定期間選択型とは、一定期間のみ金利を固定する住宅ローンのことを指します。固定する期間は2年・3年・5年・10年から選べ、選択した期間中は金利と返済額が一定になります。全期間固定金利型よりも低い金利に設定されている点が特徴です。
選択した期間が終わると、再び金利タイプを選択し直すことになります。この際、変動金利に変更することも可能ですし、固定期間選択型を継続することも可能です。
固定期間が終わったあとは金利相場の影響を受けることと、金利上昇による返済額の上限がないところに注意してください。
固定期間選択型のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 一定期間は金利・返済額が変わらない
  • 金利を固定する期間を選択できる
  • 全期間固定金利型よりも金利が低い

デメリット

  • 固定期間が終わったあとは金利相場の影響を受ける
  • 金利上昇による返済額の上限がない
  • 長期的な資金計画を立てにくい

住宅ローンの返済方法は2種類

住宅ローンの種類について理解できたら、次は住宅ローンの返済方法についてみていきましょう。
住宅ローンの返済方法には2つの種類があり、「元金を固定する」か「返済額を固定する」かの違いがあります。毎月の返済額を大きく左右するものなので、しっかりと区別しておきましょう。

1.元金均等返済

元金均等返済は、元金を返済期間で割って毎月の返済額を一定に固定する返済方法です。毎月の利息返済額は、直前のローン残高に金利をかけて計算していきます。
「返済期間で割った元金+利息」が毎月の支払い内容になります。元金の返済額が一定なので、返済期間が管理しやすい返済方法だと言えるでしょう。

2.元利均等返済

元利均等返済は、借入金利の見直し期間まで一定額を返済する方法のことです。毎月の固定された返済額から利息を引いた額が、元金の返済に充てられます。
借入当初は利息の割合が高くなってしまいますが、返済が進むにつれて元金の返済に充てられる割合が高まっていくところが特徴的です。毎月一定額の支払いができる点はメリットですが、元金の返済ペースが遅れてしまうというデメリットも存在しています。

住宅ローンの金利から利息を計算する方法

住宅ローンと金利についてしっかりと理解できたら、さっそく金利の計算方法についてみていきましょう。
金利から毎月の利息を算出する方法は、以下の通りです。

借入額(元金もしくは借入残高)×実質年利(%)÷12

利息は借入残高に対して発生するものなので、元金均等返済でも元利均等返済でも算出方法は同じです。借入残高に年利をかけて、1ヶ月あたりの金額を導き出していきましょう。
ただし元利均等返済の場合は、元金から返済額を引いた額が借入残高にならない点に注意しましょう。返済額には利息が含まれているため、利息を引いた額を返済額として取り扱うようにしてください。

住宅ローン金利計算シミュレーション

それでは、ここからは実際に金利から利息を計算するシミュレーションをしてみましょう。

(条件)
金利:全期間固定金利 1.1%
借入金額:2,000万円
借入期間:30年(返済期間360回)
ボーナス返済:なし
返済方法:元金均等返済

(1回目の返済)
毎月の元金返済額=2,000万円÷360=5万5,555円
返済1回目の利息=2,000万円×1.1÷12=1万8,333円
1回目の返済額=5万5,555+1万8,333=7万3,888円

(2回目の返済)
借入残高=2,000万円-55,555円=1,994万4,445円
返済2回目の利息=1,994万4,445円×1.1÷12=1万8,282円
2回目の返済額=5万5,555円+1万8,282円=7万3,837円

住宅ローンの金利計算はプロに任せよう

今回は元金均等返済でシミュレーションしたのでそこまで複雑な計算はありませんでしたが、元利均等返済の場合は複雑な計算が必要です。一般の方が毎月の返済額を計算するのは大変な作業になりますので、プロや各金融機関のツールを活用して金利計算をすることをおすすめします。
住宅購入を相談するときに不動産業者に依頼すれば、返済シミュレーションを行なってくれます。また、近年はネットで誰でも使える返済額シミュレーションツールが増えてきました。金利計算を自分で行うのは骨の折れる作業なので、ぜひ周囲の力を借りながら返済額の把握をしていってください。

住宅ローンの利息を減らすためには?

住宅ローンは毎月払うものなので、少しでも利息を減らしたいと考えるのは当然のことです。最後に、少しでもお得に住宅ローンを活用する方法について解説してきます。

1.金利の低いローンを選ぶ

利息を減らしたいのであれば、少しでも金利の低いローンを選ぶことが大切です。金利が低い住宅ローンであれば、同じ借入額と返済額でも元金に充てられる返済額が上がるため、返済期間を短くできます。
同じ金利タイプでも、銀行によって金利は全く異なります。さまざまな銀行をよく比較して、より低金利で借りられる銀行を見つけましょう。

2.借入額を減らす

頭金を増やして借入額を減らすのも、利息を減らすために有効な方法です。利息は借入残高に対して発生するものなので、借入残高が減ると利息も減っていきます。3,000万円の住宅を満額住宅ローンで購入するのと、頭金500万円で2,500万円だけ住宅ローンを組むのとでは、当然後者のほうが利息は安くなるのです。
資産に余力がある場合は、まとまった金額を頭金として入れて借入額を極力減らしたほうが、長い目で見るとお得に住宅ローンを活用できます。

3.返済期間を短くする

同じ住宅ローンを同じ金利で借りても、借入期間によって毎月の返済額や完済までの総返済額は大きく異なってきます。たとえば3,000万円を金利3.5%(全期間固定金利)で借りた場合、借入期間20年と35年とで比べると、利息負担だけで1,000万円を超える返済額の差が出てきてしまうのです。
借入期間を長くすればその分毎月の返済額は減りますが、総返済額は膨れ上がってしまいます。だからといって、借入期間を短くして毎月の返済額をギリギリまで上げてしまえば、毎月の生活が苦しくなってしまいます。プロによく相談して、無理のない返済計画を立てることが大切です。

4.繰り上げ返済する

繰り上げ返済することも、住宅ローンの利息を減らすためには有効な方法です。繰り上げ返済には、返済期間を短くする「返済期間短縮型」と毎月の返済額を減らせる「返済額軽減型」がありますが、前者のほうが長期的な利息軽減効果が高いため非常におすすめです。
ただし繰り上げ返済すると、手数料がかかったり住宅ローン控除の適用から外れてしまうことがあります。繰り上げ返済と住宅ローン控除、どちらがお得なのかをシミュレーションしてから、繰り上げ返済するかどうかを決定するようにしてください。

住宅ローンの金利を減らすならリノベーション物件も視野に!

借入額が大きくなったり借入期間が長くなったりすれば、住宅ローンの金利負担が増えてしまうことは避けられません。正しい利息の額や毎月の返済額を管理して、無理のない返済計画を立てられるようにしましょう。
金利をおさえてお得に住宅を購入したいのであれば、中古物件のリノベーションも選択肢のひとつです。最近は、中古物件購入費用とリノベーション工事費をまとめた「リフォーム一体型住宅ローン」を扱う金融機関も増えてきました。興味がある方は、ぜひ物件探しからリノベーション工事、引き渡しまでワンストップで行えるReoLabo(リオラボ)にお問い合わせください。

ReoLabo編集部

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