300万円という限られた予算で満足度の高いリノベーションを実現するためには、いくつかのポイントを押さえて計画を進めていく必要があります。実際のところ300万円ではどんなリノベーションが可能なのでしょうか?今回は300万円で出来るリノベーションの内容と満足度を高めるコツをご紹介します。
「リノベーションって1000万円くらいかかるんでしょう?そんなお金、用意できない…」そんな風に諦めていませんか?実は予算300万円でも十分に満足のいくリノベーションを実現できるのです。
本記事では300万円で出来るリノベーションの内容をご紹介するとともに、300万円で理想のリノベーションを実現するためのポイントを解説します。
部分的なリノベーションなら300万円以内で可能
住宅リフォーム推進協議会の調査によると、平成29年度にリフォームを契約した人の38.5%が「300万円以下」でリフレッシュ・リノベーションを実施しています。[注1]
300万円以下を予算としてリノベーションする人は決して少なくないのです。特に300万円ではキッチン・お風呂など気になる箇所のリノベーションがよく行われています。
ここでは、部位別のリノベーション費用の相場を確認してみましょう。
[注1]一般社団法人住宅リフォーム推進協議会:平成29年度 第15回住宅リフォーム実例調査報告書[PDF]
水回りのリノベーションにかかる費用
設備の老朽化や衛生面への不安から「水回り」のリノベーションを検討している方は多いのではないでしょうか。
水回りのリノベーションにかかる費用を以下の表にまとめました。
部位 |
リノベーション内容 |
費用 |
トイレ |
便器・便座の交換 |
5~10万円 |
|
温水洗浄便座の設置 |
8~16万円 |
|
タンクレストイレへの交換 |
30~50万円 |
キッチン |
システムキッチン(I型)の交換 |
40~80万円 |
|
壁付システムキッチンから対面式のシステムキッチンへ交換 |
75~200万円 |
|
アイランドキッチンの設置 |
300~400万円 |
お風呂 |
バスタブの交換 |
14~20万円 |
|
ユニットバスの交換 |
50~100万円 |
|
在来工法からユニットバスへの交換 |
65~150万円 |
洗面所 |
洗面化粧台の交換 |
20~50万円 |
※『工事見積・費用は、諸条件により変動しますので、事前に現地調査が必要となります。』
これを見ると、トイレのリノベーションは50万円あれば行えるのに対し、キッチンやお風呂は100万円以上かかる工事も少なくないことがわかります。つまり、思いつくままリノベーションしてしまうと予算がすぐに足りなくなってしまうのです。
水回りを全てリノベーションしたいなら、きちんと予算を配分しておく必要があります。
内装・設備のリノベーションにかかる費用
快適に過ごすには内装や設備もある程度整っている必要があります。内装・設備のリノベーション費用は以下の通りです。
部位 |
リノベーション内容 |
費用 |
壁 |
壁クロスの貼り替え |
6~30万円 |
|
壁クロスを珪藻土に交換 |
18~30万円 |
床 |
畳の交換 |
6~12万円 |
|
畳からフローリングへの交換 |
15~60万円 |
|
段差の解消 |
8~20万円 |
|
床暖房の敷き詰め |
50~150万円 |
※『工事見積・費用は、諸条件により変動しますので、事前に現地調査が必要となります。』
壁クロスの貼り換えや床材をフローリングに交換するだけなら、20~90万円程度あれば可能ですが、機能性の高いものを取り入れようと思うと100~200万円ほどかかってしまいます。
外壁・屋根のリノベーションにかかる費用
外壁・屋根は住宅を雨風や日光から守る大切な役割を担っている部位であるため、メンテナンスが必要であれば優先的に済ませておきたいもの。
外壁や屋根のリノベーションの費用相場は以下の表のようになっています。
部位 |
リノベーション内容 |
費用 |
外壁 |
塗料の塗り替え |
50~150万円 |
|
サイディングの重ね張り |
80~200万円 |
屋根 |
スレート屋根の塗り替え |
20~80万円 |
|
金属屋根の重ね葺き |
90~250万円 |
|
瓦屋根の交換 |
70~120万円 |
※『工事見積・費用は、諸条件により変動しますので、事前に現地調査が必要となります。』
外壁や屋根のリノベーションには100~200万円近い費用が必要となります。300万円の予算で他の部位のリノベーションにも取り組みたい場合、外壁も屋根も過度に老朽化が進んでいる場合を除き、「塗り替え」で対応して費用を抑えることになるでしょう。
300万円でのフルリノベーションは難しい
柱・梁など建物の構造だけを残して解体した上で、改装・改修する「フルリノベーション(スケルトン工事)」の費用の相場は、1㎡あたり10~25万円となっています。つまり、75㎡の住宅をフルリノベーションしようとすると、安くても750万円かかるということ。
部分的なリノベーションとは異なり、フルリノベーションには以下のような費用もかかります。
・廃材処分費:スケルトン工事では不要になった壁・床などの廃材が大量に出るため、処分にかかる費用も高額になります。
・養生費:解体のように大掛かりな工事になると、騒音や粉塵による近隣への迷惑を軽減するため養生シートや仮囲いの設置も必要となります。
また、工期も長くなりやすく、その分人件費も増えてしまい、300万円の範囲では収まらなくなってしまうのです。
どうしてもフルリノベーションを実現したい場合には、ローンや補助金の利用を検討してみると良いでしょう。
※『工事見積・費用は、諸条件により変動しますので、事前に現地調査が必要となります。』
300万円で理想のリノベーションを実現するポイント
300万円という限られた予算で満足度の高いリノベーションを実現するためには、いくつかのポイントを押さえて計画を進めていく必要があります。
ここでは、理想のリノベーションを実現するための6つのポイントをご紹介します。
理想のリノベーションイメージを固める
住みたい家のイメージは人それぞれ。「料理が好きだからキッチンだけはこだわりたい」という人もいれば、「お風呂だけは広々と開放的な空間にしたい」という人もいます。
「ここだけは」という部分にしっかり予算を配分してリノベーションできれば、全てをリノベーションできなくても満足度が高まります。
自分のこだわりたい部分や優先順位を明確にしておくと、あとで「これもやりたい、あれもリノベーションしたい」と気持ちが変わり、どんどん費用がかさんでしまう事態を防げます。
理想のリノベーションを実現しやすい物件を選ぶ
リノベーションで費用を抑えるためには、理想のリノベーションを実現しやすい物件を選ぶことも大切です。物件の選び方として以下のポイントをチェックしてみましょう。
築年数
物件は築年数によって間取りや性能が変化します。
例えば、1970年代に建てられたマンションでは、建物の中央にリビングを配置した「センターリビング型」の間取りが多く、現在のようにリビングへの採光などは重視されていませんでした。
そのため、「明るく広々としたリビングを作りたい」という理想を持っている場合、間取りから大きく変更しなければならず、費用がかさんでしまいます。
また、1980年代のバブル景気時には投資・投機マンションが数多く建設されました。これは転売を目的としたマンションで、壁や床などのコストを最大限削っているため防音性や断熱性が低いなど、住民の快適性への配慮に欠けたつくりになっています。
さらに1981年5月31日以前に建築確認申請が行われている場合、旧耐震基準で建てられたマンションである可能性もあります。
このような物件を購入してしまうと、建物の基本的な快適性・安全性を高めることから始めなければなりません。その結果、リノベーション費用が高くなってしまいます。
内装・設備
物件に備えられた内装・設備もチェックしてみましょう。
築20年前後の物件であれば、壁クロスなどはそのまま使える可能性が高く、その分の費用を他の箇所のリノベーションに使えます。
また、ユニットバスが設置された物件であれば、新しいユニットバスへの交換は50~100万円程度で済みます。しかし、在来工法の浴室の場合、新しいユニットバスに交換するには65~150万円と、費用が高くなってしまいます。
設備を交換するにしても、元々の設備は交換費用に大きく関わってくるのです。
「リノベーションしなくても使えるか」「交換費用が抑えられるか」といった点を確認しながら物件を選ぶと、リノベーションの費用負担を軽減できます。
※『工事見積・費用は、諸条件により変動しますので、事前に現地調査が必要となります。』
広さ
物件が広ければ広いほど、必要となる資材も人手も増えるため、リノベーションにかかる費用もアップします。
例えば、フローリングの張り替えは1㎡あたり1万円前後が相場です。50㎡の物件であれば全室張り替えると50万円、60㎡の物件であれば60万円…とリノベーション費用はかさんでいきます。
もちろん、物件の広さは壁・外壁・屋根のリノベーションにかかる費用にも影響を与えます。
あまりに広すぎるとそれだけで300万円の予算が圧迫されてしまいます。家族の人数やライフスタイルに最適なサイズの物件を選ぶようにしましょう。
※『工事見積・費用は、諸条件により変動しますので、事前に現地調査が必要となります。』
オールワンストップリノベーションの会社を選ぶ
リノベーション費用を抑えるには「オールワンストップリノベーション」を行っている会社を選ぶことも大切です。
オールワンストップリノベーションとは、物件探し・資金計画・ローンサポート・リノベーションの設計・施工まで、リノベーションに必要な工程全てを自社で行うサービスのこと。外部に業務を委託しない分、中間コストがかからず、費用を抑えることができるのです。
一方、リノベーション会社が窓口となるものの、外部に業務を委託する形式を「パーシャルワンストップリノベーション」といいます。こちらは中間コストがかかる分、費用が高くなる傾向にあります。
「ワンストップリノベーション」を掲げている場合でも、「オールワンストップリノベーション」なのか「パーシャルワンストップリノベーション」なのかよく調べてから依頼するようにしましょう。
複数のリノベーション会社から見積もりをとる
同じ内容のリノベーションを依頼する場合でも、資材の仕入れにかかる費用や、人件費・工事管理費などが業者によって異なるため、見積もりに大きな差が生まれます。そのため、複数社に見積もりを出してもらい、しっかり見比べることが大切です。
また、複数の見積もりを見比べていくうちに、リノベーション費用の相場を把握できるようになります。極端に高すぎる見積もりを避けられるのはもちろん、極端に安い見積もりにも気づけるため、「なぜこんなに安いのか」「追加料金はないか」などを業者に確認し、後でトラブルに巻き込まれるのを防げます。
ブランドやグレードにこだわりすぎない
有名ブランドやハイグレードの設備は性能が高く、安心感があります。しかし、その分費用は高くなりがちです。
例えば、「タンクレストイレ」でも、A社の商品を設置する場合は工事費込みで10万円前後あれば完了する一方で、有名メーカーB社の商品の場合は20万円を超えてしまうことも。
ハイグレードな設備には様々な機能がついていますが、実際の生活では不要なケースも少なくありません。
ブランドやグレードにこだわりすぎず、「本当にこの機能が必要なのか」「ノーブランドでも同じ機能を持っている商品はないか」をよく検討した上で、機能とコストのバランスが取れたものを選ぶようにしましょう。
※『工事見積・費用は、諸条件により変動しますので、事前に現地調査が必要となります。』
補助金を活用する
一定の基準を満たしたリノベーションを行うことで国から補助金の支給を受けられる制度も用意されています。
以下の表ではその一例を挙げています。
|
長期優良住宅化リフォーム推進事業 |
地域型住宅グリーン化事業【省エネ改修型】 |
高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業【断熱リノベ】 |
補助対象 |
・住宅の劣化対策や耐震性、省エネ性能などを一定の基準まで向上させる工事 ・バリアフリー改修工事 ・三世代同居や子育て世代向けの改修工事など |
省エネ基準を満たす木造住宅省エネ改修工事 |
15%以上の省エネ効果が見込まれる高性能建材を用いた住宅の断熱リノベーション工事にかかる経費の一部 |
補助率 |
補助対象費用の1/3 |
― |
補助対象費用の1/3以内 |
補助限度額 |
リフォーム後の住宅性能等によって異なる(100~300万円) |
50万円 |
既存戸建住宅の場合120万円(窓のみの場合は40万円) |
ここでご紹介した3つ以外にも国や自治体が様々な補助制度を用意していますので、リノベーションに取り組む前に確認しておくと安心です。
300万円でリノベーションをお考えならReoLaboに相談
今回は300万円で理想のリノベーションを実現させるポイントとして、
・理想のリノベーションイメージを固める
・理想のリノベーションを実現しやすい物件を選ぶ
・オールワンストップリノベーションの会社を選ぶ
・複数のリノベーション会社から見積もりをとる
・ブランドやグレードにこだわりすぎない
・補助金を活用する
という6つをご紹介しました。
オールワンストップリノベーションサービスを提供しているReoLaboでは、物件探しからリノベーションディレクターが同行し、お客様の理想のリノベーションが叶う物件選びをサポートいたします。
また、ReoLaboでは専門知識を持つスタッフが住宅設備から家具造作まで希望のライフスタイル・予算・性能をふまえてお客様に適したものをご提案いたします。
お客様のニーズに合わせたローンのご案内や、ファイナンシャルプランナーによる家計・購入診断サポートも実施しておりますので、資金面の不安もぜひお気軽にご相談ください。
ReoLabo お問い合わせ https://reolabo.jp/contact/