夫婦で借りる住宅ローンに種類があるって、ご存知ですか⁉

以前は、住宅ローンを組むといえば、ご主人が単独でと相場が決まっていましたが、最近ではご夫婦で検討される方が増えてきています。産休や育休の制度の普及や、取得率の向上で会社を退社しない選択ができるようになってきていることも背景にあると思います。

夫婦で住宅ローンを借りて、協力して一緒に返済していくという住宅の買い方です。

『ReoLabo』のお客様でも、世帯年収からはもっと払えるのに、ご主人単独でのお借入れが難しいとなって初めてご夫婦でのお借入れを検討し始める方が多いですね。

調べ始めると、夫婦で借りる住宅ローンは、借りる銀行の違いだけではなく、【種類がある!(ペアローン、連帯債務、連帯保証)】となります。それぞれのメリットとデメリットを理解して、上手に利用すれば欲しい物件を手に入れるチャンスが広がります。自分たちには何が最適なのか?見極めていきましょう。

種類1 【ペアローン】

ペアローンは、ひとつの物件に夫婦でそれぞれローンを借りる方法です。

例えば5,000万円を借りる場合、夫3,000万円・妻2,000万円のローンの契約者となり、それぞれが相手の分の連帯保証人になります。金融機関の審査は、夫婦別々に行われます。また、住宅ローンの経費(保証料や事務手数料などの名称)は、2本なので『2倍かかる!』と聞くこともありますが、借入金額の2.2%などの場合には総借入額が同じでしたら、1本か2本の違いはないことが多いようです。金消契約書に貼付する(そもそも印紙代がかからない事もあります)収入印紙代が多くなるケースもありますが、4,000万円の借入れの印紙代2万円が2本になったので、4万円になるくらいのコストです。ペアローンは出資額に応じた割合の所有権を持ちます。出資額(住宅ローンと現金)の割合と、登記した持分の割合が異なると贈与税が課税されることがありますので、注意したいところです。

種類2 【連帯債務】

連帯債務は、ひとつの住宅ローンを夫婦で同等の返済義務を負う方法です。

夫婦それぞれが金融機関の審査を受ける事と、出資額に応じた割合の所有権を持つことができる点は、ペアローンと一緒です。また、ローンは1本なので、わずかですがローン経費を抑えることができる点もメリットです。連帯債務は取り扱っている金融機関が少ないので、検討している金融機関に商品があるのか?は要確認です。後の章で比較していますが、団体信用生命保険(団信)の加入が主債務者(仮に夫)のみとなり、もう一方(連帯債務者、仮に妻)の借り入れ分には掛けられない場合には、万一を想定した金額の生命保険に別途加入するなどの検討は必要になりそうです。

種類3 【連帯保証】

連帯保証は、例えば、夫単独の借入れに近い形で、妻の収入も合算で審査をして借入総額を増やしたい。というようなケースです。

ひとつの住宅ローンで、金融機関の審査や所有権の持ち分も夫のみです。妻は連帯保証人となりますので、直接のローン支払い義務は生じません(夫の支払いが滞った場合は別ですが)。

住宅ローン控除は?

『ペアローン』と『連帯債務』は夫婦それぞれで住宅ローン控除が受けられます。対象物件が非課税の場合、年間で最大14万円控除の可能性がありますので、夫婦あわせて年間28万円の控除を目指せます。年末のローン残高の0.7%と、支払っている所得税・住民税との兼ね合いですので、ローンを組む際の金額の振り分けが重要です。

『連帯保証』は債務者(例:夫)のみ住宅ローン控除が受けられます。

団体信用生命保険は?

『ペアローン』は独立したふたつの住宅ローンですので、それぞれ団信に加入できます。

『連帯債務』は金融機関によりますが、主債務者(例:夫)のみが加入の場合には、連帯債務者(例:妻)の生命保険の加入など検討が必要です。

『連帯保証』も債務者のみですので、連帯保証人(例:妻)は加入できません。

まとめ

ここまで、『ペアローン』と『連帯債務』『連帯保証』の特徴を見てきましたが、最後に簡単にまとめますと、下記です。

『ペアローン』

・ローン控除2名 ・団信2名 ・所有権2名 ・ローン審査2名

『連帯債務』

・ローン控除2名 ・団信1名(例外あり) ・所有権2名 ・ローン審査2名

『連帯保証』

・ローン控除1名 ・団信1名 ・所有権1名 ・審査1名

 

『ペアローン』は、2本ローンを組みますので、少々経費がかかることを除けば、節税効果や保険などもしっかり付保されて安心感がありますね。『連帯債務』は検討中の金融機関に取り扱いがあれば、選択肢の一つだと思います。『連帯保証』は、そもそも収入合算を考えていなかった場合には、分かりやすい商品です。メリットが少ないなどと書いてあるコラムなども散見されますが、単独で借り入れるケースとあまり違いがないので、受け入れやすい商品ではあると思います。

 

収入を合算すると単独よりも大きな金額を借りやすくなります。借りられる上限は高くなりますが、お支払いしていける金額の上限もきちんと決めて、資金計画を立てることが重要ですね。ReoLaboホームページでは、不動産価格にリノベーション工事代金も含めて資金シミュレーションできますので安心です。ぜひご活用ください。

ReoLabo編集部

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