断熱リノベとは?適用できる補助金について

断熱材のリノベーションイメージ

断熱リノベとは、戸建て住宅やマンションの断熱性能を上げるために行うリノベーション工事です。

居住中の物件で断熱リノベを行うと、室内の温度を一定に保てるだけではないさまざまなメリットを受けられます。

また、所定の条件を満たした断熱リノベは補助金の対象となり、工事の費用の負担を軽減することができるのもポイントです。

そこで今回は、断熱リノベのメリットやデメリット、補助金の対象となる条件について解説します。

断熱リノベとは

断熱リノベとは、経年劣化した断熱材を交換するだけでなく、外側に断熱材を新たに設置したりして断熱性能を高める工事のことです。

住宅の内側を工事するため、断熱リノベの工事を行っても住宅の見た目に変化はありません。
断熱リノベの効果は、工事が終了したあと実際に生活をし始めてから実感することになります。

それでは断熱リノベには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
具体的に解説していきます。

断熱リノベのメリット

断熱リノベのメリットは、以下の3つです。

  • 快適に暮らせるようになる
  • 光熱費を削減できる
  • 健康リスクを減らせる

断熱リノベで使用する断熱材は、室内の温度を一定に保ってくれるため、暑い夏だけでなく寒い冬も快適に暮らせます。
また、窓を2重サッシにすることで防音効果を向上させることも可能です。

また、断熱材によって室内の温度が一定に保たれることで、エアコンを付ける時間や回数が減って電気代が削減され家計の支出を減らせます。

さらに断熱リノベで夏の暑さが和らげられることで、熱中症を防止できます。加えて暖房が効いた暖かいお部屋から、トイレや脱衣所のような寒い場所に移動した際のヒートショックによる心疾患や脳血管疾患の予防が可能です。

断熱リノベのデメリット

一方で断熱リノベには、以下のようなデメリットがあります。

  • 費用がかかる
  • 工事期間がかかる

断熱リノベの費用は、物件の広さや使用する資材によって異なりますが、一般的な住宅であれば50〜100万円ほどの費用がかかります。

柱のような構造材の外側に断熱材を貼り付ける外張り断熱では、さらに費用が1〜2割ほど上乗せされます。

また断熱リノベの施工期間は、天井や床下を断熱化させる工事では数日で済むこともありますが、壁に断熱材を施す場合は最大で1ヶ月の施工期間が必要です。

断熱リノベの工事内容によっては、工事期間中の仮住まいが必要になることもあり、仮住まいの家賃や引っ越し代などの費用も追加で必要となる場合があります。

断熱リノベを行う際に利用できる補助金について

断熱材の補助金のイメージ断熱リノベをすることで、生活が快適かつ健康的になる一方で、工事費用や諸経費を負担しなければなりません。

そこで、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が行う「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」から補助金を受け取ることで、断熱リノベ工事の費用負担を軽減できます。

ただし補助事業は、申請すれば必ず補助金をもらえるわけではありません。
工事に使用する製品や工事の内容など所定の条件を満たす必要があります。

また補助事業には、「断熱リノベ(高性能建材による住宅の断熱リフォーム補助事業)」と「次世代建材(次世代省エネ建材補助事業)」の2種類があります。

断熱リノベと次世代建材で補助額や条件が異なるため、それぞれ確認していきましょう。

補助金の対象となるリノベ

断熱リノベでは、一定の省エネ効果が見込まれる、高性能建材を用いた住宅の断熱リフォームが補助金の対象となります。

具体的には、工事によって15%以上の省エネ効果が見込まれなければ補助の対象となりません。

一方で次世代建材は、短期間で施工が可能な高性能断熱パネルや潜熱蓄熱建材、調湿建材等の用いた住宅のリフォーム工事が対象です。

補助金を受けるためには、補助の対象となる製品を使用し、所定の要件を満たす必要があります。

補助対象となる製品

補助の対象となる製品は、以下の通りです。

断熱リノベ
  • 断熱材
  • ガラス
  • 家庭用蓄電システム(戸建住宅のみ)
  • 家庭用蓄熱設備(戸建住宅のみ)
次世代建材
必須
  • 断熱パネル
  • 潜熱蓄熱建材 のどちらか
任意
  • 断熱材
  • 玄関ドア
  • 調湿建材

上記の製品のうち、SIIの定めた要件を満たして登録されている未使用品を購入し工事を行った場合の購入費用や工事費用が補助の対象になります。

ただし断熱リノベの家庭用蓄電システムについては、購入費用のみが補助の対象であり、工事費用は補助の対象とならないため注意しましょう。

補助対象となる要件

断熱リノベと次世代建材の補助要件のうち、以下の4つは共通しています。

  • 補助事業の補助対象商品を使い事業要件の詳細に従って既存住宅に断熱改修を行うこと
  • 補助事業の交付決定通書に記載する交付決定通知日以降に契約・工事着工すること
  • 完了実績報告書を提出期限内に提出すること
  • 補助事業の補助対象には他の国庫補助金を受けたものが含まれていないこと

断熱リノベや次世代建材といった補助事業は、申請が承認されておらず交付決定通知書を受け取っていない状態で契約したり施工したりした断熱工事は対象となりません。

また工事の事業要件は、断熱リノベと次世代建材それぞれで細かく定められているため、入念に確認したうえでの申請が必要です。

例えば断熱リノベの事業要件は、戸建ての場合、工事する箇所の数と種類、物件のある地域に応じて定められた最低改修率を満たす必要があります。

加えて居間または主たる居室を中心に改修する必要があり、窓とガラスは外気に接する部分全てに設置・施工しなければなりません。

一方で次世代建材の事業要件は、工事に使用する製品ごとに施工箇所や施工方法が定められています。

例えば、断熱パネルを使用する場合、室内側からの施工が必要で、床下や壁の外側、天井裏から施工するものは補助の対象となりません。

補助金の対象となる人

補助金の対象となる人は、それぞれ以下の通りです。

断熱リノベ 次世代建材
戸建住宅 個人の所有者または
個人の所有予定者
  • 個人の所有者または個人の所有予定者
  • 賃貸住宅の所有者(個人・法人どちらでも可)
集合住宅(個別)
集合住宅(全体) 管理組合の代表者

※一般社団法人環境共創イニシアチブ「令和2年度の住宅の省エネ・断熱リノベーションの支援補助金について」をもとに作成

補助額

補助事業で補助される金額は、以下の通りです。

断熱リノベ 次世代建材
補助率 高性能建材:補助対象経費の1/3 補助対象経費の1/2以内
補助金額
(上限金額)戸建
1戸あたり120万円
(窓のみの改修は40万円)
1戸あたり200万円
補助金額
(上限金額)集合
1戸あたり15万円 1戸あたり125万円
下限金額 1戸あたり20万円

ただし、断熱リノベのうち戸建住宅の家庭用蓄電システムと家庭用蓄電設備の補助額は、以下の通りです。

  • 家庭用蓄電システム:設備費2万円/kWhまたは補助対象経費の1/3または20万円のいずれか低い方
  • 家庭用蓄熱設備:設備費・工事費併せて1/3以内または5万円/台のいずれか低い方

※一般社団法人環境共創イニシアチブ「令和2年度の住宅の省エネ・断熱リノベーションの支援補助金について」をもとに作成

断熱リノベを行うときの注意点

補助金をもらう時の注意点断熱リノベを行うときは、以下の2点に注意しましょう。

  • 申請期間を把握しておく
  • 補助要件に沿ったリノベを行える業者を選ぶ

1つずつ解説していきます。

申請期間を把握しておく

補助事業の申請期間は、以下の通りです。

公募期間 完了報告書
提出期限
一次公募 5/11〜7/17 12/11
二次公募(予定) 8/17〜9/30 1/15

※断熱リノベの集合住宅(全体)の公募期間は5/7〜6/19、完了報告書提出期限は1/15

上記の公募期間中に申請を行い、補助金の交付が決定したものから工事の契約および施工が可能となります。

工事完了後は、所定の期日までに完了報告書を必ず提出しましょう。

補助要件に沿ったリノベを行える業者を選ぶ

補助事業の申請において、リノベーション業者は特に指定されていませんが、補助事業の事業要件に沿った工事ができるリノベーション業者に依頼しましょう。

業者によって、得意な工事の分野や施工の経験が異なるだけでなく、料金設定も異なります。
そのため複数の業者に相談して見積もりを取って比較し、依頼する業者を選ぶことが大切です。

ReoLaboなら断熱リノベもお任せ

ReoLaboが提供するリノベーションは、断熱リノベにも対応しているため、ぜひお気軽にご相談ください。

またリノベーションの工事費用は、お住いの延床面積に応じた定額制です。
そのためリノベーション工事の資金計画を立てやすく、予算に対する不安を減らせます。

リノベーション工事の打ち合わせは、好きなデザインの定額制リノベーションを選択し、間取りを決めて、好みの建材を選び、好きなオプションを追加していくだけです。

打ち合わせする内容がとてもシンプルであるため、リノベーション工事をスムーズに進められます。

まとめ

断熱リノベを行うことで、室内の温度は一定に保たれ1年中通して快適に暮らせるだけでなく、電気代の削減効果も期待できます。

さらに熱中症やヒートショックなども回避でき、健康的な暮らしが実現できます。

一方で断熱リノベを行う場合は、工事が完了するまで一定期間が必要なだけでなく、工事費用も負担しなければなりません。

そこで高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業から補助金を受け取ることで、断熱リノベの工事費用負担を軽減できます。

ただし補助金を受け取るためには、工事に使用する製品や工事内容など所定の条件を満たしたうえで、所定の期間中に申請が必要です。

まだ断熱リノベをされていない方は、補助金も有効に活用して工事を検討してみてくださいね。

ReoLabo編集部

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ReoLaboでは(リオラボ)では、住宅購入、リノベーションを検討している方向けに、住まいに関する情報を発信していきます。

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