リフォームの瑕疵保険について説明を受ける人

リフォームにかかる費用は決して安くありません。
そのためできるだけトラブルや失敗を避けたいと考える人がほとんどでしょう。

そこで万一工事に不具合が見つかった場合に役立つのがリフォームの瑕疵保険です。

本記事では、リフォームの瑕疵保険について、メリットとデメリットも含めて詳しく解説していきます。

リフォームの瑕疵(かし)保険とは

リフォームの瑕疵保険とは、リフォーム工事後の物件に瑕疵が見つかった場合に、補修のための費用が補償される保険のことです。

例えば、キッチンの交換工事を行った数ヶ月後に配管の接続不良によって水漏れが発生し、床が傷ついたとしましょう。

この場合、リフォーム業者が行う配管の補修工事と床の張り替えで発生した費用が保険金によって賄われます。

またリフォームの瑕疵保険は、施主様が加入するのではなく、リフォーム業者が加入する仕組みです。

そのため施主様側がリフォームの瑕疵保険の利用を希望する場合は、リフォーム瑕疵保険に加入し住宅瑕疵担保責任保険法人に登録されている業者から選びます。

仮に施工を依頼する業者が瑕疵保険に加入していなかった場合は、業者に依頼してリフォーム瑕疵保険に加入してもらわなければなりません。

では、なぜリフォームの瑕疵保険が必要で、実際に保険料は誰が払うのでしょうか?

ここで、詳しく解説していきます。

どうして瑕疵(かし)保険が必要なのか

瑕疵とは、リフォーム契約に一定以上の機能や性能、品質が確保できていない状態のことをいいます。

リフォーム業者は、工事をした住宅に瑕疵があり施主様側から補修の依頼があった場合は、補修をしなければなりません。

補修には費用が必要です。

そこでリフォームの瑕疵保険に加入しておくことで、瑕疵によって補修が必要になった場合に保険金が支払われて、補修工事を行えます。

また瑕疵が発覚したときにリフォーム業者が倒産していた場合、リフォーム瑕疵保険に加入していると保険金を受け取れます。

このようにリフォームの瑕疵保険は、瑕疵が見つかった場合を補償してくれるため、リフォーム工事の際のリスクを少なくして安心したい人にとって必要といえるでしょう。

リフォームの瑕疵(かし)保険は誰が払うのか

リフォームの瑕疵保険は、個人ではなくリフォーム業者が加入します。
そのため補償の対象である被保険者となるのは、リフォーム会社です。

しかし保険料の負担にいては、リフォーム会社と施主様のどちらが支払っても良い決まりです。

実際は、施主様側が全額負担するケースが多いですが、リフォーム業者と施主様で保険料を折半することもあります。

リフォームの瑕疵(かし)保険の主な3つのメリット

リフォームの瑕疵保険に加入するメリットは、以下の3つです。

  1. 第三者に検査してもらえる
  2. リフォーム業者が倒産しても保証してもらえる
  3. 瑕疵(かし)があっても第三者の検査員が証明してくれる

それぞれについて確認していきましょう。

1.第三者に検査してもらえる

リフォームの瑕疵保険では、リフォームの工事完了後またはリフォームの工事中に専門の検査士が建物を実際に見て検査をします。

検査は、設計施工基準に沿って入念に行われます。

リフォーム会社からすると、施工後に第三者からのチェックが入ることで、施工の品質管理を受けている状態となり、手抜き工事を防止する効果が期待できるでしょう。

住宅瑕疵(かし)担保責任保険法人とは

住宅瑕疵(かし)担保責任保険法人は、第三者による検査の際に実際に検査を引き受ける法人で、国土交通大臣より指定を受けています。

2020年4月時点で住宅瑕疵(かし)担保責任保険法人に登録されているのは、以下の5社です。

  • ハウスプラス住宅保証(株)
  • 住宅保証機構(株)
  • (株)日本住宅保証検査機構
  • (株)住宅あんしん保証
  • (株)ハウスジーメン

2.リフォーム業者が倒産しても保証してもらえる

仮にリフォームをした物件に瑕疵が見つかり、補修が必要になったときにリフォーム工事を担当した業者が倒産していると、補修をしてもらえません。

そこでリフォーム業者が倒産した場合、保険会社に対して補修費用を請求できる仕組みです。

リフォームを行う業者が小規模な工務店であっても、リフォーム瑕疵保険に加入することで、補修が受けられないリスクを回避できます。

3.瑕疵(かし)があっても第三者の検査員が証明してくれる

リフォーム工事の瑕疵は、専門的な知識を持った第三者の検査員によって証明されます。

検査員とリフォーム会社に利害関係は存在しません。

そのため施主側からすると第三者が工事に欠陥がないか確認し、仮に欠陥があった場合は、第三者の検査員が欠陥を証明してくれるため安心感を得られるでしょう。

リフォームの瑕疵(かし)保険の主な3つのデメリット

瑕疵保険のデメリットのイメージ
一方でリフォームの瑕疵保険には、以下3つのデメリットに注意が必要です。

  1. 保証してもらえる期間が短い
  2. 検査するための工期が伸びる
  3. 保険料が高い

一つずつ確認していきましょう。

1.保証してもらえる期間が短い

リフォーム瑕疵保険の保険期間は、以下のように特約を除くと最大でも5年となっています。

  • 構造耐力上主要な部分:5年
  • 雨水の浸入を防止する部分:5年
  • 上記以外のリフォーム工事実施部分:1年
  • 基礎部分から新設する増改築(特約):10年

例えば、配管工事を実施した後に水漏れ等が発生した場合の保証は、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分どちらの欠陥でもないため、保証期間は1年となります。

新築住宅における住宅瑕疵保険の保険期間は10年が一般的です。
そのためリフォーム瑕疵保険は保険期間が短い点に注意が必要でしょう。

2.検査するための工期が伸びる

リフォーム瑕疵保険を利用すると、検査によって工事期間が伸びてしまい、入居日が予定よりも遅れてしまう可能性があります。

例えば、検査の対象に屋根が含まれている場合は、悪天候の日には基本的に検査が実施できません。
検査回数が多いほど、工事が遅れるリスクも上がるでしょう。

3.保険料が高い

リフォーム瑕疵保険を利用するためには、保険料を支払わなければなりません。

そして保険料に加えて検査料金の支払いが必要になるため、支払料金が高額なる場合があります。

支払う金額の目安は、以下の通りです。

  • キッチンの交換(保険金支払限度額100万円):約3万円
  • 外壁の改修(保険金支払限度額200万円):約5万円

実際の保険料は、保険金の支払限度額や住宅の床面積によって変わるため、試算をする必要があります。

リフォーム瑕疵保険の保険料は、全額施主様側負担であるケースが多いため、保険料を支払ってでも利用する価値があるかどうかを入念に検討して加入しましょう。

リフォームの瑕疵(かし)保険の対象物件とは

瑕疵保険の対象になる物件のイメージリフォームの瑕疵保険は、すでに人が住んでいる住宅の一部または、住宅と一体となった設備が保障の対象です。
そのため新築工事や解体工事などは含まれません。

またマンションのような共同住宅において、階数4以上またはのべ床面積500㎡以上の場合は、基本的に専有部分のみが工事の対象です。

ただし区分所有者が、専有部分のリフォームと一緒に工事する扉や窓のような共有部分は保険の対象です。

リフォームの瑕疵(かし)保険の対象費用

リフォーム瑕疵保険で支払われる保険金の対象となる費用は、主に以下の3種類です。

内容
補修費用 材料費や労務費等の事故を修補するために必要な費用
仮住居費用・転居費用 欠陥が見つかった住宅を補修するために居住者が一時的に転居をした場合に支払った仮住まいの家賃や引越しの費用
損害調査費用 住宅に欠陥が見つかったときに補修が必要な範囲や補修の方法、金額を決定するための調査費用

実際に支払われる保険金は、加入するリフォーム瑕疵保険によって異なります。

また支払われる保険金の額は、以下の計算式で求められる仕組みです。

・支払われる金額=(損害額(補修費・調査費)-免責金額(10万円))×縮小てん補割合(80%)

このように、補修や調査に要した費用が全額補填されるわけではないため注意しましょう。ただしリフォーム業者が倒産しており、施主様が保険金を請求した場合は、100%の保険金が支払われます。

リフォームの瑕疵(かし)保険の支払いまでの流れ

リフォーム工事を行った物件に瑕疵が見つかった場合は、以下の手順で保険金を請求します。

  1. リフォーム会社に補修工事の請求
  2. リフォーム会社による補修工事の実施
  3. 補修工事の終了後にリフォーム会社が「補修工事完了報告」を保険会社に提出
  4. 保険会社による補修内容の確認が行われリフォーム会社に保険金が支払われる

もし瑕疵が発覚したタイミングでリフォーム業者が倒産していた場合は、施主様が保険会社に直接保険金を請求します。

まとめ

リフォーム瑕疵保険はリフォーム工事を行った住宅に欠陥が見つかった場合に、保険金を受け取って補修費用を補填できる保険です。

仮に瑕疵が発覚したタイミングでリフォーム会社が倒産していても、保険金を受け取って補修費用に充てられます。

そのためリフォーム瑕疵保険は、リフォーム工事を行う際に不安を軽減できる保険といえるでしょう。

ただしリフォーム瑕疵保険を利用するためには、保険料の支払いが必要なだけでなく、工事が延期するリスクなども把握したうえで慎重な判断が必要です。