毎日使うトイレのリノベーションは、内装のデザインを考えるだけでなく、快適に使えるか、掃除がしやすいかということもしっかり考える必要があります。
この記事ではトイレをリノベーションする際に押さえておきたい便器・床材・壁材・ドアについての注意点をご紹介します。
便器の排水方式と大きさを確認する
便器の交換については、デザインが異なるだけでどの便器を選んでも設置できると思っている人も少なくないかもしれません。
しかし、便器によっては取り付けられなかったり、後々、使用に不便さを感じ続けたりするケースもあります。
同じ排水方式のものを選ぶ
トイレの排水には、「床排水」と「壁排水」の2種類があります。便器の後ろに太いパイプがあり、それが壁につながっている場合は壁排水方式です。
いっぽう、床排水方式の場合は、目視できる排水管がありません。
便器によっては、どちらかの排水方式にしか対応していないものもあるため、選ぶ際には排水方式の確認を忘れずに行いましょう。
また、床排水方式の場合、壁から排水管までの距離によっては、タンクありタイプの便器が設置できないケースも考えられます。
同じように、壁排水方式の場合は、壁から排水管先端までの距離に合致したタイプの便器を選ぶ必要があります。
いずれも、リノベーション業者に見てもらったうえで便器を選ぶと安心です。
便器の大きさがトイレスペースに適しているか確認する
トイレのスペースをゆったりと取っている場合であればよいですが、便器の周囲にあまり余裕がない場合は、便器を選ぶ際に大きさを考慮することも必要です。
特に和式便器を交換する場合や、温水洗浄機能なしだったものを温水洗浄機能付きの便器に交換する場合などは、便器のサイズが以前より大きくなってしまうため、リノベーション後にかなり窮屈さを感じてしまうことも多いです。
また、便器の周囲にスペースがなさすぎると、掃除がしにくく清潔さが保てないだけでなく、掃除の際に頭や体をぶつけてケガをしたり、男性が立って用を足しにくかったりする可能性もあります。
可能であればトイレの床面積を拡張する、それが難しい場合はコンパクトタイプの便器を選ぶとよいでしょう。
なお、温水洗浄機能の操作パネルが便器サイドに付いているものより、壁に設置するタイプを選ぶと、いくらか掃除がしやすくなります。
床材や壁材は汚れに強く手入れがしやすいものを選ぶ
トイレ内は、手洗いや掃除の際の水濡れ、尿はねなどで、頻繁に濡れたり汚れたりします。そのため、床材や壁材は、汚れに強く手入れがしやすいものを選ぶことがポイントです。
床材はクッションフロアがおすすめ
廊下やリビングなどと統一感を持たせるために、トイレの床もフローリングにしたいと考える人も少なくありませんが、トイレの床に木材を使うのは、あまりおすすめではありません。
なぜなら、木材は水に弱く、濡れた部分をそのままにしておくとカビが生えることがあるからです。また、尿はねや掃除用の洗剤などが付着すると、変色や腐食の原因ともなります。
トイレの床材に一番おすすめなのは、クッションフロアです。
水分がしみ込まないので汚れても水拭きができるうえ、クッション性があるため物を落としても傷がつきにくいのもポイントです。
なかには、耐アンモニア機能付きのものもあります。
さまざまな色や模様のものが揃っており、フローリング調のデザインもあるので、フローリングにこだわりのある人にもおすすめです。
トイレの床材としては、ほかにタイルもあります。フローリングやクッションフロアにくらべて耐久性があり、高級感も演出できる反面、目地部分に汚れが付きやすい、価格が高めといったデメリットもあります。
壁材は価格や手軽さで選ぶならクロスがおすすめ
壁材には、大きく分けて、クロス・タイル・パネル・塗装の4つがあります。
一般的に「壁紙」といわれるクロスは、比較的安価で、さまざまなデザインから選べるのが特徴です。なかには、防汚機能や消臭・抗菌機能の付いたものもあります。
パネルは水拭きができるため、掃除がしやすく清潔さを保てるのがメリットですが、クロスにくらべて価格がアップします。
また、高級感を演出したい場合はタイル、自分でいろいろ手直しやアレンジをしたいのであれば塗装を選ぶとよいでしょう。
ドアの開閉に問題はないかも重要なポイント
内開きのドアの場合、便器の交換によって十分に開かなくなるケースが考えられます。
また、今までは床が一段低かったため問題なかったが、バリアフリーにしたことでスリッパやトイレマットがドアを開けるたびに引っかかってしまうという声も聞かれます。
そのため、内開きのドアをそのまま使用する場合は、便器や内装をリノベーションすることで開閉に問題が生じないかを確認しておきましょう。
予算に余裕があるのであれば、外開きや引き戸のドアに変更するのもおすすめです。
毎日利用するトイレは快適さを十分に考慮したリノベーションを
トイレは狭い空間なので、インテリアにこだわったり思い切ったデザインにしたりしたくなります。しかし、それ以上に重要なのが「快適さ」です。
毎日利用する場所だからこそ、窮屈さを感じず、掃除のしやすい便器や床材、壁材、ドアを選び、快適な空間にリノベーションしましょう。